片道航空券で入国の罠
長期バックパッカーの醍醐味の一つと言えば片道航空券で旅に出るという、あてもなき放浪のロマンを醸して、内なる中二の心を満たすことですよね。私はそうでした。
しかしこれ、すこし注意が必要です。下手をすると夢にあふれた中二は、出国さえできずに成田で足止めを食らうはめになるかもしれません。
日本国のパスポートというのは大変優秀で、ビザ無しで入国できる国、2018年現在で世界最強の180ヶ国です。
そう、あのダサいえんじ色のパスポートは世界ランク1位の強者なのです!
航空券をとるだけで、大抵の国には行けちゃいます。ありがたいですねー。
しかし、ビザ無し入国していつまでも居座られては相手国としても困りますので、必ず一度に滞在できる期間の上限が設定されています。多くの場合90日、少ないと30日くらいのところも。うっかりやちゃっかりの違法滞在を許さない為にも、「滞在可能な期間内に、第三国に出国する交通機関のチケットを所持している」ことを入国の条件としている国が少なからずあるのです。
とはいえ、ルールは存在していても、全く建前だけで持ってなくても問題なく入国できる国も多くあります。
大まかな目安となるのが
- 島国か (例:日本・フィリピン)
- 陸続きか (例:ドイツ・タイ)
というところです。
陸続きの国の場合は、「陸路で隣国に出国する予定です。」と言えば通る場合がおおいです。
しかし島国の場合は出国手段が必ず飛行機になります。(船という手段もなきにしもあらずですが、基本的には飛行機です)
ですので、日本みたいな島国に行く場合は、次に行く国と日程を予め決めて、出国チケットをとっておくことを強くお勧めします。
私が行った限りでは
- 台湾
- フィリピン
- ニュージーランド
は、チェックイン時に出国チケットの提示を求められました。
実際に片道チケットしか持っていなかったために入国を拒否られた事例もググると出てきます。
一方で
- タイ
- シンガポール
- マレーシア
は、一応ルールとしてはあるのですが、いくらでも陸路で出国できる地理状況なので、実際に求められた事はありません。何か聞かれても「陸路で●●に出国します。チケットは現地で手配します。」と言えば大丈夫でした。
(とはいえ、今後変わることもありえますので、必ず直近の状況をしっかりご自分で調べてくださいね。)
ただし気をつけなければ行けないのが、日本のど真面目な空港受付スタッフです。
成田からルーマニアに出国する際に、あやうく痛い目にあうところでした。
事情があり、ヨーロッパ旅行をルーマニアという僻地から始めたのですが、ルーマニアの次は、夜行列車でハンガリーに行く予定だったので、片道航空券でチェックインをしようとしたところ、頑なお姉さんに
「出国チケットをもっていないとルーマニアで入国拒否をされるからダメだ」
と突っ返されるではありませんか。
チェックインの長蛇の列を尻目になんとかネットで夜行列車のチケットを購入しようと焦る私。迫り来るボーディングタイム。結局ネットでの購入は不可能と判明。こうなればその場では高額でも、後々無料キャンセル可能な第三国へのチケットを手配してもらって購入するしかない、と腹を括って再びチェックインカウンターへ。
すると今度は別の手慣れた職員が
「ダミー予約いれておきますので、これ持って受付してください。予約は後でこちらでキャンセルしとくんで。」
とあっさりフライト情報がメモされた紙切れをくださいました。彼が天使に見えましたよね。
ちなみにこれ、すごいチャッチい紙切れでした。でっかいレシートみたいなのにフライト番号と座席番号?が書いてあるだけ。なんと私の名前すら載ってない!
つーか、これでいいなら、列車のチケットか別航空会社のチケットねつ造とかでいけたんじゃね?
とれもしない夜行列車のチケットを探していたこの30分間、エ●スペディアのEチケットでも偽造すべきだったんじゃね?
そして案の定ルーマニアの入国のいかついおっちゃんには何一つ聞かれず、というか彼は何一つ言葉を発せず、むしろ私の顔を見もしない勢いでパスポートにボカンとスタンプを押してくれました。
(でもぶっちゃけ会った事のない東洋人の10年前の写真と目の前の人物が同じかなんて、じろじろ見た所でわかんないよなと思う。)
というわけで、島国に行く前に必ずその次の予定までたてて、次の国へ渡るチケットを予め用意しましょう。
日本の空港からマイナーな陸国へ出国する際は、いっそフェイクでもいいので、出国チケットらしきものを用意しましょう。
(フェイクでいける保証はありませんのであくまでも自己責任でお願いします。)